封鎖中のミラノから イズミふうこの日記

イタリア語と日本語(時々英語)で得る情報は、どれだけ同じなのか?どれだけズレているのか?

伊医薬庁がアビガンの試用を許可。ヴェネト州に続いてピエモンテ州が試験的に使用。

新型コロナウィルスに関するイタリアの報道を全訳するシリーズ。

ついにアビガンの試用が医薬品庁から承認されました。

数日以内にイタリア各地で試用が開始されるよう。

毎日何百人が亡くなり、「今日の死者数」を聞く日々。

治療薬に関してはフェイクニュースに翻弄されてきたイタリアとしては、期待値を低くしながらも藁にもすがる思いでしょう。

 

在伊邦人の私としては、日本のニュースで早々とアビガンの名前を聞いた時から「なぜイタリアでは使わないのか」とこっそり思っていたので、私情も相まって本当にドキドキします。

 

今日は昨日のコリエレ紙と並んでイタリア最大の発行部数を誇るラ・レプッブリカの記事を全訳です。

原文:

https://www.repubblica.it/salute/medicina-e-ricerca/2020/03/23/news/covid-19_speranza_aifa_procede_su_sperimentazione_avigan_-252090636/

<以下は記事の全訳です>

新型コロナウィルス Covid-19: 希望。イタリア医薬品庁(AIFA)はアビガンの試用を認めた。ヴェネト州の次にはピエモンテ州も試用の申請をし、許可を得た。

昨日、ヴェネト州知事ルカ・ザイア氏が新型コロナウィルスに対する有効性を研究するために「日本の薬」の試用を進めるつもりであると発表した。それを受けてピエモンテ州も同じようにこの薬の試用を希望し、つい先ほど、保健大臣であるロベルト・スペランザ氏が医薬品庁からの許可がおりたことを発表した。

 

イタリア医薬品庁(AIFA)からの薬剤試用の許可

「医薬品庁のジェネラルマネージャーであるニコラ・マグリーニは、アビガンに関連する既存のデータを分析し、今朝の会議で、初期症状で薬剤がどのような効果をもたらすかを試してみる予定を立てた 」と、スペランザ氏は発表。「今後数日で、プロトコルは運用可能となる」

 

慎重になる専門家

アビガンとその効果について専門家たちはそれぞれ意見を述べている。

ウィルス学者のブリオーニ氏は「ナンセンス」とし、上級保健評議会会長のロカテリ氏は「選択肢として試したり検証することと、新型コロナウィルスのような重要な問題の解決策として決定することとは全く違う問題だ。治療法を見つけた、と断言する前に、正確で疑う余地のない証拠が必要だ。」と、記者会見で述べた。

「この薬は正確で疑う余地のない証拠を持っていないかもしれない場合もある。だから我々はがっかりしたりショックを感じたりしないように慎重になるべきなのだ」

 

薬剤の製造元である会社について

ネットでこの薬剤が話題になった後、製造元である富士フイルム富山化学は、日本では試験的に新型コロナウィルス感染の患者にこの薬が投与されていることを明らかにした。またファビファビピラビル(アビガンの一般名)は中国でも投与されていることを承知しているが、富士フイルムは上記の試験的な研究については関知しておらず、コメントをする立場にないということだ。現時点では新型コロナウィルス感染症に対する有効性と安全性は確立されておらず、富士フイルムは日本における臨床試験を開始する予定である。

 

* 私はプロの翻訳家ではありませんので、固有名詞、細かい部分などは正確ではない可能性があります。